男性ホルモンとは?頻尿と男性ホルモンの関係
1日に尿意を感じてトイレに何回も行ってしまう頻尿。
その原因は様々ですが特に中高年男性に多く見られ、頻尿とも関係が深いといわれている前立腺肥大症は、男性ホルモンとの関係がかねてから言われていました。
ここでは頻尿と男性ホルモンがどういう風に関わっているか解説していきたいと思います。
私達の体は思春期の時に男性らしい体つき、女性らしい体つきに変わる第二次性徴において性器以外に外形的性差を生じさせ、精子や卵子の成熟、妊娠の成立・維持に関わる性ホルモンを持っています。
特に男性ですと男性ホルモンによってヒゲなどの体毛が濃くなったり、変声期を迎えたり、筋肉増強に関わっています。
男性ホルモンはステロイドホルモンのひとつでアンドロゲンとも呼ばれています。
主に精巣のライディッヒ細胞などから分泌され、数種類のホルモンから構成されています。
乳児期早期(生後1〜3ヶ月)の男の子は思春期並に分泌量が多く、将来の精子形成に重要な役割を持っています。
2歳から思春期を迎えるまでは分泌量が減少するのですが、思春期開始時は男性器の発達にのみ作用し、男性器の成長の段階によって男性ホルモンの分泌量が急激に増大します。
この増大によって声変わりをしたり、ヒゲが伸び始めたりするなど、他の体位でも作用します。
またアンドロゲンは卵胞刺激ホルモンと共同し、精子形成の維持に関与しています。
そして一番重要なのは性欲などの活力向上と社会的アクティビティの維持になります。
男性ホルモンと前立腺肥大症の関わりについて
第二次性徴を迎えた後、男性ホルモンの分泌量は最大となるのですが、徐々に加齢とともに減少してしまいます。
さらに、男性ホルモンであるアンドロゲンを構成するホルモンの一種にテストステロンがあり、30代から徐々に減少すると言われています。
それに代わってジヒドロテストステロンと言われるもう一つのホルモンが分泌されます。
このジヒドロテストステロンは脱毛ホルモンとも呼ばれているもので、進行性男性型脱毛症の原因と言われています。
ジヒドロテストステロンの分泌量増加によるホルモン環境の変化が原因で、前立腺が肥大してしまうことが考えられています。
前立腺が肥大してしまうと、尿道が圧迫されてしまい、排尿が困難となり膀胱に尿がすぐ溜まることで頻尿を引き起こしてしまいます。
更にがんばって排尿しようと膀胱に無理な力がかかってしまい、少しの刺激で膀胱が過敏に反応する過活動膀胱によっても頻尿が起きてしまいます。
その他にも気をつけておきたい前立腺がん
男性ホルモンのバランス環境の変化に伴い、前立腺肥大症が起こることが考えられていますが、他にも男性ホルモンと頻尿に関わるものとして、前立腺がんがあります。
前立腺に悪性腫瘍ができることで、多くの場合は症状がないのですが、進行すれば頻尿や排尿障害を伴うことがあります。
他のがんと比べて進行がとても遅い上に、男性ホルモンによって成長するといった特徴があります。
精巣から男性ホルモンされるため、精巣摘除術(去勢術)や抗男性ホルモン剤によって前立腺がんが小さくなることがあります。
ただ、更に進行してがんが大きくなることによって男性ホルモンと関係なく成長をしてしまうことがあります。
頻尿と男性ホルモンの関係まとめ
これまでご案内いたしましたとおり、頻尿と男性ホルモンが直接的に関わっているわけではありませんが、頻尿の原因のひとつとして前立腺肥大症があり、また前立腺肥大の原因として男性ホルモンの関わりが考えられています。
前立腺肥大症の治療として抗男性ホルモンを利用することがあり、前立腺の肥大を抑え、頻尿を改善したといったことも報告されています。
前立腺の働きや肥大化する原因については未だ解明されていないところもありますが、前述のとおり男性ホルモンの関わりが深く関わっている事が考えられています。
また抗男性ホルモン剤の服用にあたっては、性欲減退といった副作用もあります。前立腺肥大症の治療を行う際は、先生とじっくり相談しながら治療を進めることが必要かもしれません。
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