男性の頻尿の原因にもなる自律神経とは?
通常ですと1日にトイレに行く回数は4〜8回と言われています。
しかし、何らかの原因でトイレに行く回数が10回を越えたり、トイレの回数が多く日常生活に支障をきたしたりする場合を頻尿と言います。
頻尿の原因は様々ですが、中には自律神経の乱れなどによって起こることもあります。
ここでは神経性の頻尿についてまとめました。
私達の体は脳からの命令により、体のいろんな部分を動かします。
また、体からの色んなサインを脳が受け取ることで物事を考えたり状況を判断したりします。
脳と体のいたるところを結ぶのが神経ですが、2つの神経系に分けることができます。
一つ目は、自分の意志で動かす筋肉などの運動神経や感覚神経といった随意神経系である体性神経系。
二つ目は、自分の意志とは関係なく働く不随意である自律神経系です。
自律神経系は循環、呼吸、消化、発汗・体温調節や代謝などを制御します。
例えば暑いと感じたり寒いと感じたりした時に、脳が暑さ、寒さを感じて私達は洋服を調整するなど行います。
同時に体の中では体温を調整するために汗をかいたり、鳥肌が立ったりなどといった反応を見せます。
これを反射というのですが、これに自律神経系が大きく関わっています。
また自律神経系は交感神経と副交感神経の2つの神経系からなっています。
胃、心臓、腎臓などといった臓器それぞれに交感神経と副交感神経が張り巡らされており、お互いに正反対の働きを見せます。
交感神経の働きはストレスや恐怖、緊張を強いられる場面で重要な役割を持ち、交感神経の働きが増すと、血管が収縮し、血圧や心拍数などが上昇します。
消化管、皮膚への血液量が減少しますが、筋肉などといった骨格筋への血液供給量が増加します。
これは突発的な事態でもすぐ体が動けるようにと言われています。
一方の副交感神経は血管を拡張、血圧、心拍数を押さえる他、胃腸の働きを促進させ、胃液などの分泌が促進されます。
自律神経のバランスが崩れると頻尿にどう繋がるのか?
ちょっと難しい話になりましたが、自律神経は交感神経と副交感神経が互いに相反する動きをし、バランスを取りながら各臓器の働きをコントロールしています。
しかし、一度交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうと身体のあちこちに異変が起きます。
自律神経失調症というのですが、症状に頭痛やめまい、動悸などと言った症状が現れる他、頻尿や残尿感がみられることもあります。
尿は作られた後に膀胱に溜められるのですが、この膀胱も交感神経と副交感神経がコントロールしているんです。
交感神経の働きにより、膀胱三角部、膀胱括約筋が収縮活動を起こし、膀胱括約筋は弛緩といって緩んだ状態となります。
膀胱三角部とは腎臓から作られた尿が出る左右の尿管口と、尿道に繋がる膀胱の出口を結んだ線が三角形になるので、膀胱三角部と呼ばれ括約筋といって収縮・弛緩活動を行いますが、膀胱に尿が溜まったら尿意として伝える役割も持っています。
膀胱括約筋は収縮することでおしっこをためる役割をもち、膀胱排尿筋は排尿の際に収縮活動を行います。
一方副交感神経の働きにより膀胱三角部、膀胱括約筋が弛緩し、膀胱排尿筋が収縮活動を行うことで、排尿に繋がります。
色々なストレスなどにより、緊張から交感神経の動きが過剰になりますと、反射的に膀胱を収縮させるため、脳に尿が溜まっているというサインが送られてしまい、尿意を感じてしまいます。
これが心因性頻尿と言われるものになります。
若い男性にも多い心因性頻尿
男性の頻尿の原因として多いのは前立腺肥大症によるもので、特に中高年男性に多く見られます。
その一方で、近年20代以上の若い男性に多く見られるのが、慢性前立腺炎や心因性頻尿となります。
特に職場での仕事や人間関係などのストレス、夜遅くまでのパソコンやスマホ、ゲームといったブルーライトの影響から、自律神経の乱れを引き起こすとも言われています。
過度の緊張を強いられる場面でトイレが近くなることが誰しもあるかもしれませんが、心因性頻尿の場合は頻繁にトイレに行くことで余計にトイレを意識してしまい、それがストレスとなって少しの尿量でも尿意を感じてしまうと言われています。
自律神経のバランスを整えるための市販薬などがありますが、先ずは生活リズムを見直し、夜遅くまでブルーライトの刺激を受けないようにすることと、充分な睡眠時間、バランスの取れた食事を摂るようにしましょう。
心因性の頻尿の場合ですと、他の事に熱中することで頻尿の症状が見られないことがありますので、別のことに意識を向かせることも必要です。
男性の頻尿と自律神経のまとめ
頻尿の原因は様々ですが、感染症や尿路感染など原因となる病気が疑われない場合、多くは心因性頻尿と言われています。
働き盛りの人は勿論ですが、春から新社会人になった方などでも慣れない環境で大きなストレスを抱えることもあるかもしれません。
トイレが近くて困っているけど中々相談できない、一番いいのは泌尿器科を受診し適切な治療を受けることですが、先ずは生活リズムを見直し、睡眠不足にならないようにしましょう。
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